公文書としての図面

今まで、日本は公文書の取り扱いについてきわめてあいまいな扱いをしてきたいことが露呈している。私たちがいつも書いている図面もその一部となっている。近年、リフォーム物件が多くなっているが、すぐ直面するのは過去の履歴としての図面の存在である。図面が一枚でもあればいいのだが、大半はない。おまけに確認申請も完了していない物件だと改めて手続きから始めなければいけない。これは前に向かうというより過去を紐解く歴史家のような作業で壁の中に隠されている情報も推測しなければいけない。かなり慣れない作業である。他人の行った工事を見て図面化するのはやはり難しい。そこには独特なデザイン手法だったり、工法だったり行っているので他人が理解しづらい部分をある。それを解明するまで時間がかかる。

今までの図面情報がなければ後に控えている改修図面はできないことははっきりしている。

新築の場合、まず基本設計、実施設計を経て見積図面が制作され、工事中は、施工図をチェックしながら変更作業をすすめ、工事後には竣工図を作成することになっている。通常見積図面までは製作するうえで必ず存在するが、竣工図になると怪しくなる。

竣工図は、施工を経ているので様々な人によって変更された部分で構成された図面となっている。設計者自身の把握できてない部分も当然存在する。

特に雨漏りなど表面的な問題が発生した時にはその問題を早急に対処しなければいけないが、履歴としても図面がなければたちまち迷宮入りしてしまう。雨漏りの原因がデザイン上の問題か施工上の問題かどうかきわめて判断が難しいからだ。

公文書の扱いの厳格化によってより設計者の役割は重要になるのは目に見えている。

今一度図面が、公文書的な価値と担っている側面も見つめながら日々の図面を描かなければいけないと感じている。

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