自然素材講座 第6回 木材の乾燥

木材の乾燥

立ち木を伐採した時には原木内には大量の水分を持っている。その量は樹種によって異なる。針葉樹では、辺材は芯材よりはるかに高い含水率を持っているが、広葉樹では芯材の方が含水率の高いものもあるが、大方辺材、芯材の含水率の差はないといってよいでしょう。

  • 平衡含水率
    伐採後すぐに製材された含水率の高いもの木材は大気中に放出すると次第に乾燥して、ある一定の含水率を保つ、この状態の含水率を「平衡含水率」という。この状態の木材を「気乾材」という。気乾材の含水率は、地域や季節の変動に伴うが、樹種による差はほとんどなく、日本では13~18%平均で15%程度となる。
  • 乾燥材
    木材を大気の温度や湿度によって狂いをおこさない含水率以下まで乾燥させて材を「乾燥材」という。日本農林規格(JAS)では針葉樹構造材の乾燥材の基準としてD25、D20 、D15 と規格を設けている。それぞれ含水率が25%、20%、15%という意味を持っていて、使用箇所や部材の指定を行っている。

天然乾燥材

木材を屋外に積み上げたり、三角形に製材した木材を並べてはざ掛けなどしたりして自然に乾燥させる。乾燥期間や乾燥度合いは、気象条件に左右されるが、大方1㎝/月のスピードで乾燥していく。一般的に半年程度の乾燥期間が必要になってくるので、現在の住宅生産工程からこの期間がネックとなっており、人工乾燥との併用が必要になっている。

人工乾燥材

人工的に温度、湿度の調節を行いながら木材を所定の含水率まで乾燥させる方法でその材をKD材という。強制的に短期間に乾燥させるため、乾燥による応力が生じて、材の損傷を伴うことがある。

木材の防腐・防蟻処理

腐朽菌

杢座を腐朽させる原因が腐朽菌である。カビやキノコなどで細胞壁を分解するため木材の強度を著しく低下させる。木造建築では腐朽菌が生育しにくい環境を作ることが耐久性につながる。一時的な薬剤による効果も期待できるが、通気させて木材の乾燥を維持していくことが重要である。

白アリ

木材を食する白アリには、日本では主にヤマトシロアリとイエシロアリがいる。 白アリは、多湿な木材を好み乾燥材の食害は少ない。また地面に近い土台に限らず柱や小屋組みまで食害することがある。白アリの予防策として土壌処理と木材への薬剤注入が効果的であるが、毒性の高い薬剤の使用となり環境汚染の源となっている。ヒバや耐蟻性の高い樹種の選択や腐朽菌の対策と同様に乾燥状態を保てる工法の工夫やこまめな点検が必要である

クレオソート油

コールタールを分溜したときに得られるフェノール類、ナフタリン類、アントラセン類などを含む黒褐色の油剤で、木材の浸透性、撥水性効果、対候性などに最も優れた性能を持っているが、刺激臭、着色、塗装障害などの欠点もあり、建築現場では土台や柱下部など限定的に塗布が行われる。鉄道の枕木には、クレオソートの加圧処理材が使われる。

CCA処理材

木材の腐朽や防虫の目的で薬剤による対応がある。建築基準法では土台周りの材には薬品注入材かもしくは基準を満たす樹種を使用しなければいけないことになっている。
クロム、銅、ヒ素化合物系防腐剤で現在最も利用されている薬剤である。銅化合物が、防腐、ヒ素化合物が防蟻効果をもち、クロム化合物は木材中の薬剤固定の役割を果たしている。毒性が高いため木材の注入は工場で行われる。近年環境問題の視点から薬剤の使用を避ける傾向があり、基本的にはヒノキやヒバなどの樹種を土台に使用することで対応していくのが望ましいと考えている

お問い合わせ

自然素材に関する建築設計のご質問・お悩みがありましたら、お問い合わせください。