設計事務所の選び方 / 建築は「作品選び」ではなく「対話相手選び」である

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「建築家 選び方」
「設計事務所 比較」

このような検索をされる方は、すでに建築計画を具体的に考えている段階にあります。

しかし多くの場合、比較の軸は

  • デザインの好み
  • 施工事例の数
  • 設計料の金額

に偏りがちです。
もちろんそれらも重要です。

しかし本当に重要なのは、そこではありません。
建築は“商品”ではなく、“対話のプロセス”だからです。

1| なぜ設計事務所選びが重要なのか

建築は完成までに、数か月から数年を要します。
その間、何十回もの打ち合わせが行われ、
予算調整や方向修正が発生します。

つまり設計事務所選びとは、
長期的なパートナー選びです。
完成した建物だけを見るのではなく、

  • どのようなプロセスでつくられたのか
  • どのような対話を重ねてきたのか

を見る必要があります。

2| 設計事務所のタイプを整理する

設計事務所には、大きく分けていくつかの傾向があります。

① デザイン主導型

強い世界観を持ち、作品性を前面に出すタイプです。
完成写真は美しく、印象的な建築を生み出します。

一方で、依頼者の要望よりも作家性が優先される場合もあります。

② 効率・合理型

コストや工期を重視し、合理的な設計を行うタイプです。
計画はスムーズに進みやすいですが、
空間の質よりも効率が優先されることがあります。

③ 対話重視型(弊社の姿勢)

依頼者との対話を軸に、方向性を共に探っていくタイプです。

  • 経営者の思想
  • 土地の特性
  • 素材の可能性
  • 将来の運営

を丁寧に掘り下げながら設計を進めます。
完成形は、依頼者との対話の結果として生まれます。

3| 対話重視の設計手法とは何か

対話重視とは、単に話をよく聞くという意味ではありません。
ヒアリングは「要望確認」ではありません。
多くの場合、依頼者自身も本当に望んでいる空間を言語化できていません。

対話とは、

  • なぜそれを望むのか
  • 何を大切にしているのか
  • どのような未来を描いているのか

を共に探る作業です。

企業施設であれば経営思想を掘り下げる。
別荘であれば、どのような時間を過ごしたいのかを問う。
方向性は、対話の中で見えてきます。

4| 良い設計事務所の見抜き方

① 図面だけで判断しない

図面やCGは美しく見せることができます。 重要なのは、
  • なぜその形になったのか
  • なぜその素材を選んだのか
の説明の深さです。  

② 現場に立っているか

設計の完成度は、現場で決まります。 現場を理解し、素材を確認し、微調整できるかどうか。 また、急な変更に対応できる柔軟な設計姿勢を持っているか それが空間の質に直結します。  

③ 質問の質を見る

良い設計者は、質問が深い。
  • なぜ建てたいのか
  • なぜ今なのか
  • なぜその規模なのか
こうした問いを投げかける設計者は、対話型である可能性が高い。

5| 設計料の違いはどこに出るのか

設計事務所の費用には幅があります。
その差は、

  • 打ち合わせ回数
  • 現場監理の頻度
  • 素材検討の深さ
  • 設計時間

に表れます。
ざっくりいうとすべて「労働時間」と「集中力」です。

価格だけで判断すると、後に追加費用や質の差が出ることもあります。
建築は、安さよりも「何に時間をかけているか」で判断すべきです。

6| 相性はどこで判断すべきか

設計事務所との相性は、初回相談である程度分かります。

  • 話を遮らないか
  • 結論を急がないか
  • 一方的に提案しないか
  • 質問が具体的か

建築は、数値だけで決まるものではありません。
価値観が近いかどうかは、非常に重要です。

7| 設計事務所選びは「思想選び」

最終的に問われるのは、
この設計者と、同じ方向を向ける
どうかです。

作品を選ぶのではありません。
対話相手を選ぶのです。

建築は、設計者と依頼者が共同でつくるプロジェクトです。

最後に| ご相談をお考えの方へ

まだ具体的な計画でなくても構いません。

  • 設計事務所の違いを知りたい
  • 方向性が定まらない
  • まずは話をしてみたい

そうした段階からの対話を大切にしています。

建築は完成物よりも、プロセスが重要です。
対話から始まる設計をご希望の方は、ぜひ一度ご相談ください。

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