能登半島の先端に位置する珠洲の焼き物の展示会です。この町は中世時代から焼き物の町として発展し、海を使い日本中に焼き物を輸送していました。その時代に造られた伝統的な焼き物から現代にいたる作品を展示しました。
珠洲焼は黒をベースにした焼き物です。会場構成としてモノトーンをベースに壁だけでなく床も細工しました。
中世時代の焼き物にはまだ釉薬という概念はほとんどなく素焼きが中心で素朴な風合いと表面に抽象的な線画が施されています。弥生式土器とも異なり品の良い素焼きです。
中世時代は甕やつぼといった陶器が盛んに作られていました。
中世の焼き物はとても貴重です。瓦などの製法に近いものと思いますが、お皿の縁周辺の断面が薄くなっているので精度よく作らないと割れていくので、職人がひとつひとつ頑張って作っている姿が目に浮かびます。
日本の土の文化は多様に展開されているのは焼き物に適した土が日本全国に散らばっていることによるものと思います。しかし東京近辺は焼き物に適した土はほとんどなく、群馬県の深谷周辺、栃木県益子、茨木県笠間周辺までいかないといい土はありません。
大地の恵みは陶器だけではなく様々な食品や工芸にわたっています。全体的には海産物が多い感じがしました。
会場構成はできてしまえばあっけないのですが、図面段階ではいろいろな要素を組み込まなければいけないので、図面は大まかに見せながらもしっかり見積もりが取れるものにしています。
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