断熱材の性能基準の見直し
経産省は、断熱材のJIS規格の基準を新たに定めたとのことで、省エネ対策に国をあげて取り組んでいることがわかります。
今回改正されたのはJIS A9521:2022の項目で24Kから40Kの断熱材の目標基準値を熱伝達率0.04156W/m・Kとしているところから0.03942 W/m・K(グラスウール系に対して)に変更されています。
24Kとは24㎏/㎥という意味で数字が大きいほど密度が高く断熱性能はよくなります。
そこで実際にカタログを見て確かめてみました。グラスウールの製品は、多種にわたっており、一つのメーカの中でもかなりのカオス状態で分かりにくいです。わかりにくい原因の一つとして、グラスウールの断熱性能は、密度だけでなくグラスウールの繊維の細さが影響していることです。
高性能グラスウール14Kは、通常の24Kと同じ断熱性能を発揮するとのことで、JISの規格基準が断熱性能と比例しているわけではないことがわかります。
私が今回参考にした旭ファイバーグラスの製品カタログでは、ほとんどが高性能グラスウールで、通常のものはわずかです。
断熱材の選定に関しては24Kとか20Kとかいう数字に関係なく熱伝達率を見て性能を判断することをお勧めします。そして。グラスウールは施工するのが大変なので使う箇所によって、商品の形状を選定していくことが重要になります。クライアントが一人で悩む部分ではないと思います。また2022年10月から物価高騰を受け断熱材も値上げになるとのことです。20パーセントのコストアップといわれています。性能とコストのバランスを取りながら設計を進めていくことが求められています。
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