琵琶湖周辺の伝統的な建築

近江地方の伝統的な町屋建築は赤い建物が多い。外観の木部の表し部分はすべて弁柄(ベニガラ)を塗って仕上げているためである。赤い木部は柱や梁だけでなく格子、建具などの細部にわたり赤く塗られている。地元の工務店の人に聞くと棟上げ前にひとつひとつ材木を弁柄に塗っておくそうで、赤く塗られた木材で棟上を行うのだという。棟上げが終わると職人は体中真っ赤になるという。
赤く塗ることで木の耐久性を高めることになるのであるが、雨のかからない軒下の部分は長い年月が経っているにもかかわらず赤いままの姿で現在の塗装よりも丈夫なような感じがする。。
おそらく赤い町屋は近江地方の独特な工法(仕上げ)だと思う。白の漆喰と赤の建具周りの外観は何とも艶めかしい姿でもある。京都や奈良の建築にはない地味で少し奥ゆかしさを感じる佇まいである。

お問い合わせ

自然素材に関する建築設計のご質問・お悩みがありましたら、お気軽にお問い合わせください。